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現代の名工へ挑戦 2/2

  • 執筆者の写真: 喜盛 新垣
    喜盛 新垣
  • 2025年10月29日
  • 読了時間: 2分

第三章:なとーんどー三線 究極のユーザビリティの追求


「強化張り」で耐久性の課題を克服した後も、新垣氏の革新への意欲は衰えなかった。彼は、初心者が三線を挫折する主要な原因である調弦(チンダミ)の難しさや、本皮が湿気や水分に弱いという環境への脆弱性を改善する必要があると考えた。


こうして、使用者にとっての全ての「不便さ」を解決することを目指した

「なとーんどー三線」が誕生した。


この革新的な三線は、以下の画期的な機能を標準装備している


ゆるみにくいカラクイ(糸巻き):

指2本で簡単に固定できるため、初心者でも約1分で調弦が完了する。


本皮の特殊コーティング:

湿気に弱い本皮に特殊コーティング剤が施され、水やアイロンを当てても音質が変化しないほどの高い耐水性・耐湿性を実現した。


ガタつかない部あて:

棹と胴の結合部を半永久的にガタつきが生じないように仕上げ、音質や演奏への悪影響を防ぐ。


さらに特注品では、本皮の張り具合を自在に調整できる音質可変機能も備え、一本で高音から低音まで幅広いねいろを出すことを可能にした。


「なとーんどー」という名前には、

沖縄方言で「(音が)鳴っているよ」と

「出来ているよ」

という二つの意味が込められており、

英語表記では

「TONE(ねいろ)をDO(成し遂げる)」

という意味合いも持たせ、その革新的なコンセプトを表現している。




終章:次世代への継承と最高金賞の栄誉


新垣喜盛氏の長年にわたる、ユーザー中心の革新的な哲学 は、2024年1月に公的に最高の評価を受けた。


2024年1月13日、「なとーんどー三線」は、第47回沖縄市産業まつり内で開催された「新商品アワード」において、その多様な楽しみ方、持続可能性、自由なコンセプトが評価され、見事に「最高金賞」を受賞した。


新垣氏本人は都合により授賞式には出席できなかったが、代わりに彼の息子が桑江市長から表彰状とトロフィーを受け取った。

この世代交代の象徴的な瞬間は、新垣氏が築き上げた伝統と革新の遺産が、次世代によって確実に受け継がれ、発展していくことを示唆している。


新垣喜盛氏と彼の息子は2024年現在も精力的に三線製作に取り組んでおり、彼の技術と文化保存への強いコミットメントは、沖縄における現代の職人技の象徴として位置づけられている。

彼は、三線の「不便さ」を解消することで、伝統楽器の寿命と文化的継承に直接貢献し、現代社会において伝統芸術を工学的な原理を通じて現代化する道筋を示したのである。

 
 
 

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